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児童養護施設の現状と課題

 児童養護施設とは「環境上養護する(過程環境が悪く、過程での生活が困難)と児童相談所が判断した児童を養育する場」で、親と子が完璧に離れて生活する場所である。子どもたちが入所するときの理由は、戦後直後は、父母の死別や行方不明など、父母と生活することが、物理的に不可能になったものが主だった。

しかし、現在、上記の理由で入所するというのは殆どなくて、主な入所理由は、実親からの虐待や、保護者の健康上・経済上、一緒に生活することが困難といったものである。ひとえに虐待といっても、明らかに身体的または精神的虐待を受けている場合もあれば、ネグレクト防止のため、ショートステイやトワイライトケアなどの予防策を行っているため一時的に入所している場合もある。

これらの入所理由は、父母と暮らすことは、物理的には可能なものである。しかし、可能ではあっても好ましくないという理由で入所している。その背景には、子どもの権利条約に規定されている子どもの最善の利益を確保するためと考えられる。

 こういった現状の中、児童養護施設の課題というものが浮かび上がってくる。本来、過程で好ましい養育がなされていた場合、大人、つまり両親二人に対して子どもは多くても三人という割合の中、関係やかかわりを持つのが常となる。しかし、施設内での職員と子どもの割合をそういったものにするのは難しい。これは、場所、つまりは部屋についても同じことが言えると思う。

中学生や高校生一人一人に、個室は可能ならば欲しいところだ。もちろん、一般家庭でも確実に確保されているとは限らない。

しかし、こういった施設の場合、すべての子どものそういった望みをかなえるのは不可能に等しい。物理的な狭さに限らず、精神的な安らぎ、心のよりどころが確保できず、子どもは満足いかないかもしれない。我慢しなければならないところかもしれないが、施設にいる子どもには何の罪もないのだから、それを我慢しろというのも酷だろう。ほかにも考えてみる。

たとえば、携帯電話はどうだろう。いまどき小学生ですら持っているという話を聞く。さすがに、小学生・中学生から持つのは早いと個人的に思うが、高校生くらいになると持っていない人の方が珍しくなってくる。そのときに施設内の高校生が、携帯電話を持つことは贅沢だろうか。

たしかに携帯電話を持たせることにより、月に支払うお金や、携帯電話を持つことで生じる危険性を考えると、施設の対場から考えると、そう簡単には許可するここができない。しかし、その子が携帯電話をもっていないという理由で、周りの話題についていけないかもしれない。そういったメリット・デメリットを考えると、この問題は難しい。

ほかにも、人間関係についても挙げられる。最初に、現代の主な入所理由に「虐待」があるということを記述した。つまりは、普通の集団に比べて、被虐待児が多いわけだ。そして、親と離れて生活しているため、アタッチメントが、比較的形成されていない子も多い。そういった環境の中であれば、日常生活の中で問題がおきていると考えてもおかしくはない。

一対一での喧嘩もあれば、一対多数のいじめだってありえる。ほかにもいくらでも考えればあるだろう。こういった問題に取り組みながら、家庭への再統合や子どもたちの自立についても、考えなくてはいけない。日常のも問題も大変だし、それを負担する職員についても配慮を怠ってはいけない。日常的に追われているのは、肉体的にはもちろん精神的にも余裕がなくなってくる。それが、長期的に続くことにより、日常職務において、正式な判断ができなかったり、判断が鈍くなったりするとも考えられる。

また、余裕がなく子どもに当たってしまって、それがエスカレートして施設内での職員による虐待が起こる可能性だってある。そうなったら本末転倒、虐待から逃げたはずなのにまた虐待にあってしまう。そんなことがあってはならない。しかし、なりかねないという現状が事実である。

 この現状を改善することはとても重要だ。人間関係については、子どもと特定の保育者・職員との間にアタッチメントが形成することで、少しは改善されるかもしれない。

ほかには、職員の負担を少しでも減らすことにより、施設内虐待を防ぐこともできる。職員の定期的な休暇、十分な職員配置、カウンセリングなどを行うなど、改善の余地はある。

しかし、今起きてる問題だけやればいいのでもないのだ。まずは、虐待の予防。結論から言えば、虐待を減らせば入所する児童が大幅に減る。だからこそ、虐待を未然に防ぐ。または、虐待の早期発見が望ましい。それには、地域と子どもたちの関係性や、虐待についての正しい知識・認識が必要となる。

幸い、今日ではメディアが取り上げているおかげで興味関心は広まったと思う。あとは、それを見つけた時に、どこに通告すればいいのか、そういった広く入りやすい窓口が必要だと思う。それは、虐待に限らずいえることだ。

地域とのかかわりを施設が持つことにより、施設内の子と地域との関係ができる。そういった、施設をもっと開いていくことにより、起こるメリットを有効に使うことが今後の施設でやっていくべきことなのかもしれない。


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